ろじうらのあかり

好きだからこそやるんじゃない やってるからこそ好きなんだ

感想:「装甲悪鬼村正 妖甲秘聞 鋼」

  寺西です。
 ニトロスーパーソニックチケ代が2106円とか完全にトチ狂った数字のため、
 上京してホテルに着いた後「そんな事するんだったらなぁ!別ルートでニトロに金を落としてやるよオラァ!!」と言いながら刀剣乱舞Store秋葉原でニトロの男とニトロの男とライアーソフトの男のクリアファイル(推しの顔が大きく解像度が高いとオタクは頭がおかしくなるから……)とかりんとうをゲットし、さらにその足で向かったアニメイト秋葉原店の裏手ことニトロプラスストアで装甲悪鬼村正 妖甲秘聞 鋼」(ニトロプラスブックス版)を購入、無事読了し終えましたので感想を書きます。
 

 

 
 ドラマCD……今どこに行けば入手できますかね……(歯噛み)
 「装甲悪鬼村正」はとても熱く、重く、暗い話なのですが、著者の鋼屋ジンさんは「装甲悪鬼村正」のライナーノーツにおいても「これは愛の話だ」とはっきり語っていて、それが如実に現れた作品だなというのが全体を通しての感想です。
 
 冒頭の双輪懸(∞)を「巡る因果」になぞらえるという、自作であるデモンベイン(OUROBOROS RONDO)を連想させるエッセンスを交えつつ、デウス・エクス・マキナはあらわれない」と念押しをするところ、弁えているなーという感じです。あと、鋼屋さんの三人称テキストを読んだことがなかった(エロゲは基本的に主人公の一人称で語られるので)ので、なかなか新鮮で楽しかった。
 冒頭の決闘シーンで「これ原作のアレやん!!!」とわかってしまい脳汁がビシバシ出て変な笑い声をあげるとかそんな事ばっかりしていたのですが。
 
 村正を装甲して狂い果てながらも、本心は戦など望んで居なかった北朝の足利某、葛藤の果てに村正を装甲し、鬼の形相を深くし続けた南朝の楠木某。主軸はどちらかといえば楠木側ですが、夢でありとあらゆる人にありとあらゆる手段で殺され続けてそれでも死ねない足利某の前に現れた高嶺御前のシーン、好きですね……。
 それと対になるのが楠木某が「最後の善悪相殺」の対象として選んだ狭霧とのシーンなのですが、「善悪相殺」の呪いあってこそのラブシーンで、いやあ……凄まじかった……。どれだけ血と悲しみと痛みと苦悶にまみれていても、ラブシーンはラブシーンなのだな……。みたいな気持ちになりました。ニトロプラスだわ……(感慨)。
 そして「善悪相殺」の呪いを持つ劔冑が巻き起こした地獄、痛み、楠木某の苦悶を見つめ続けた篝が「したことは愚かで、結果も散々だったけど、こうしていま生きているなら愛するよりほかにない」「悪鬼、多いに結構」と肯定する、鋼屋ジンって感じ……。(しみじみ頷く)
 
 今回初登場の劔冑の装甲の句はほとんど「歌」でしたが、篝のみ元ネタがウィザードリィの「復活の呪文」、独立形態の兎は「ヴォーパルバニーという異質さは、やはり大和鍛冶の劔冑という事から来ているのかなぁ。そう、篝と村正の関連もね、よかったね……。
 それにしても「いつも欲しいものばかり持っていかれる」と独りごちた魂の末裔が、「たった一つの欲しいもの」を得て逝ったの、やはりこれも因果なのでしょうね。
 
 
 ちなみに翌日のライブ物販は息をするように全部買いました。Tシャツの着心地が思った以上によくて通販でもう一枚欲しいな……。