11月の灯

ーー路地裏に明かりを差し伸べ、光以て闇を照らせ。オタクが元気に好きなものと日常の話をします。

感想:「スパイダーマン:スパイダーバース」

 

 スパイダーマン:スパイダーバース、公開当時上司から「ピーター・パーカーの概念が好きな人にはめちゃくちゃ刺さる」と言われた私は頷きながら「なるほど……塚口で上映したら見に行きますね」などとのたもうておりました。

 そしてこの度「IWANAMI SOUND EXPO2019」トップバッターとして<吹き替え版 特別音響 マルチバースサウンド>がめでたく上映されたので、発言の責任を取るべく見に行きました。

 

 見事にブッ刺さって帰ってきたので、以下感想です。

 えっめちゃくちゃ面白かったんじゃが!?

 

 

 

 なんか友人は「評価が微妙」と言っていたのですが、仮にそういう感想が事実存在していたとしたら、恐らく最後のバトルでピーター・B&マイルスのダブルスパイダーをやらなかったからなんだろうな~とは思います。

 でも、そこはマイルスひとりでやらなきゃダメなんですよね。

 違う次元からやってきた、似ているけど違う「スパイダーマン」達。似た経歴を持ち、大切な人を失う因果と痛みを分かち合える君たちはよい友だしこれからもそうだろう、けれど見えているものは違うから、出会えた思い出を胸にそれぞれの道を進もう、達者でな……というお話なので。NYは100エーカーの森ではないんだよな。

 楽園追放を思い出しましたね……傍にいなくても、互いを思い合いながら自分の道を進んでいく、尊いことです。

 

 スパイダーたちみんなかわいくてカッコよかった、ペニ・ーパーカーちゃんかわいいの嵐……そりゃ公開当時あれだけファンアート描かれるわって感じの納得がありました。小柄でメカが得意で声が愛らしくてショートカットのお目々くりくりしたアジア系の女の子、好きにならないオタクいる~~~~~???(主語がでかい)
 ペニーちゃんのロボ、最後に愛を表明して逝くロボに俺は弱い……斑鳩の飛鉄塊みたいで……(そこを思い出すのか)
 
 スパイダーノワール、見た目がめちゃくちゃに好きですね……白黒コミックから飛び出して、絵に描いたようなハードボイルド、どのぐらいかと言えば風も無いのにコートがなびくレベルのハードボイルドってだけで最高なのに声が大塚明夫さん、おっほほ〜〜〜〜い!!!って感じだった……ルービックキューブの色がちゃんと判別できてない(白黒世界に住んでいるから明度でしか判別できない)所、かわいくありつつも、住んでいる世界が違うのがはっきりわかってよかったです。あとバトルスタイルが拳闘とか……潜入シーンの「簡単ではないかも知れんが」→「簡単だったな」の流れ超好き。
 
 グウェンはな~~~~美しくてな~~~~バトルスタイルにバレエの動きを取り入れているのが特徴なのですが、ウェーブでスイングしてる所などもひたすら美しくてよかった……というかそもそものデザインが美しすぎる……白+黒+ピンクにトゥーシューズだけがターコイズってなんだよ……卒倒するわ……。なお本人の性格はシビアというか、「友達はもういい」と孤独を選んだ時期だったようでそのあたりがマイルスによって徐々にほぐれていくのもよかったですね……。悠木碧さんの「私、育ててない」めっちゃよかった。
 
 ドクターオクトパス、女性として出てくると思わなくてびっくりしてしまったのですが、正直超好みです。線の細い女性がゴテゴテしたメカ装備して背中から生えた触手で縦横無尽に駆け巡ったりするの、イイよね……(いい……)。
 
 女性といえば、今作のメイおばさんは最高でしたね。そうそう死にそうにない、地下室で紅茶飲みながら「待ってたわ」ってマイルス出迎えるとか、クソ強ロートルのムーブが過ぎて笑ってしまった、お家を荒らされてバットで応戦しますしね!!!
 ロートルといえばよォ~~~~スタン・リーおじいちゃんがよォ~~~~~おじいちゃんが……(顔を覆って泣く)
 
 
 
 先代が最後に着ていたスーツのスペアを、自分の表現(スプレー、グラフィティ)で塗り替えて「スパイダーマン」になるマイルスうお〜〜〜〜〜って感じでした、熱い。市販品のスーツ(借り物の理想)ではなく、先代の思いに自分の思いを……重ねて纏うんだよな……。
 他バースのスパイディ達のペーパーバックがパサパサ積み上げられた上にマイルスの、「最新のスパイダーマン」のペーパーバックが置かれるのスパイダーマンになったという証明」なんだよな〜〜〜〜苦難の中に身を投じることになるからこそ「読者」が生まれるのか、読者が存在するからこそ苦難の中に投げ込まれるのか。胸熱と同時に業が深いシーンだったと感じます。
 
 
 キングピンは妻子に会いたかったのに、次元断裂の狭間で会えた妻子が最後に見た姿の再演にしかならなかったというの、辛辣ではあるし残念だが当然ではある。
 理由をぼんやり考えていたけど、他の次元から妻子を呼び出そうとする時遺髪のDNA使ってたから、妻子が受けた衝撃のストレスが反映されてあの瞬間が出てきたのかな……
 最後のボタンをキングピンが物理的に押す羽目になったの良かったな、次元断裂装置を作ったのは自分の意思あってのことだけど、いつも直接的な事は他人にやらせてたもんな。これも大いなる力に伴う責任よ……それはスパイダーマンに限った話じゃないもんな。
  
 しかし画面作り気が狂ってましたね、あんなビビッドな色使いとブレをゴリゴリ使っておきながら画面が破綻してないのすげえ〜〜〜〜スタッフロールで人がいっぱいいる〜〜〜〜〜〜(それな)
 Wikipediaを見たら「60名から142名にまで増員された」って真顔になりました。
 
 
 
  最後になりましたが、岩波美和音響監督が直々に調整した<マルチバースサウンド>、やはり最高でした。初っぱなのうーはー君ムービーから「ズゥウウウウン」という音で「ヒエッ……(楽しみ)」となり、本編も爆発音はしっかり響き、高音やキャラの台詞は聞き取りやすくという職人技の調整でした。いやまあ初見なのも相まってお話を追うのにいっぱいいっぱいだった所はあるのですが。
 1週間だけの上映にな~~~ここまでやっちゃうんだもんな………よくよく考えたら相当にヤバいことしてない……?(好き)