ろじうらのあかり

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みにくいモジカの子:双葉みゆルート


 「みにくいモジカの子」の感想だよー!!!!!!!
 攻略情報とかは期待しないでくれな。ここはただの感想ですので。

 とりあえず個別に書いて、原画の話や演出の話がしたいので全6回くらいになるかもしれない。
 今回はみゆちゃんですよ。



 




■みゆルート
 今作は「行動の選択肢」ではなく、特定のシーンで「顔を上げるか上げないか」が分岐点となるわけですが、序盤から順当に「顔を上げる」事を選びつづけるとみゆルートに入る感じです。
 パッケージでセンターに位置し、主人公である種崎君が恋している相手として描かれるみゆちゃんですが、 いやー、ヤバかった。発売前カウントダウンボイスを聴いている時点から「なんか……みゆちゃんの観察力と分析力ヤバない……?」と思っていたら本編で猛威を振るっていた。しかもまたまとめ能力も高いんだよな……。
 そして自分の観察結果をチラつかせれば人間社会の力関係なぞ簡単に崩壊することを知った双葉みゆは権力と支配欲に溺れ、自分をいじめた相手に復讐として「やられたことを完膚なきまでにやり返す」ということを完遂しきったのだった。
 そうだよな、これ種崎捨の復讐であるはずなのに、いつのまにかみゆに主導権を完全に握られて取り込まれていた、という話なんだよな……。
 しかしそれを薄々感じながら、復讐に及ぶみゆの顔はどこまでも笑顔であり、その笑顔を美しいと思ってしまった種崎君にとってもはや自分は二の次であり、何より「種崎捨を心底汚らわしいと思いながら、笑顔を浮かべて一番憎い相手に処女を捧げ信頼を得ようとする」その有様を愛しいと思ってしまったし、そこまで表と裏を分離できるようになってしまったみゆの事を「僕が壊してしまった」と感じて責任を取ろうとする種崎捨の事、嫌いになれない……どうしてそんな所でクソ真面目なんだお前……みたいな気持ちになりました。いや自分が好きな女の子を自分が決定的に変えてしまった、という自覚があるならそうかもしれんけど。
 そもみゆに告白されて、「これはイタズラだ」と9割9分理解していながらも顔を上げたのは、「これを有耶無耶にしたまま生きていくのだけは耐えられない」「それをしてしまったら僕は死ぬから、いっそ自分から死のうと決意する」という思いからなので、男前な部分は男前なんですよ種崎君は……。クズかと言われればクズですが。でも「醜い顔」という本人にもどうしようもない部分背負って育ったしなによりモジカがあるからな……。

 それにしても、みゆルートのラストHシーンは最高でした。最高に良い、美しくて醜い笑顔だった。「みゆのためなら死んでもいい」とかもう、完全に「種崎君のファム・ファタル(破滅させる女)かよ……」って感じで最高に最高でした。
 公式でも見れる会長のシーン、「乳首つねってるの誰だよお前かよォ!」って感じだった。というかもう催眠音声かのような誘導っぷりだった。コワイ。それはそれとして事が終わった後に泣き崩れる鳴子さん最高に良かったですね……最高じゃありませんかあんなの……。
 その後のシーンのみゆちゃん、「それとも、もう――復讐、終わり?」って聞いた声のあどけなさすら感じるトーン、遊「ぶ」相手を見定める子供のようでゾクゾクしましたね。


 「主人公が恋心を抱くセンターキャラ」にああいう結末を持ってくるの最高にエグくていいし、モジカを使うと自然にみゆルートに入るの、「チュートリアルです」って感じがしました。まあ実際序の口なところ、あるよね……。