ろじうらのあかり

好きだからこそやるんじゃない やってるからこそ好きなんだ

オタク的万年筆見立てのススメ~うちの推し編~



 とうとう刀剣乱舞グッズにおいても万年筆が出る時代となりました。
 オタク界隈での万年筆といったら大体はベースの軸にもよりますがお値段1万円以上するものなので、グッズとしての万年筆で利益が出ると判断されるの、地味にすごい事だと思う。今は鶴丸さんの発表のみですが、軸やニブの詳細、お値段、付属インクなどのお話が楽しみですね。

 さてしかし、いざ実現したと言っても「デザインが好みではない」「メーカーが合わない」などオタクの悩みは尽きぬもの。あと「イメージフードやカクテルのように、万年筆に推しの概念を見いだす!そういうのもあるのか!」という人の為に、「いかにして推しの概念を筆記具たる万年筆に見いだすのか」という例を、あくまで個人的なやりかたとしてご紹介したく思います。楽しいよ、万年筆。普及率と利便性で圧倒的なボールペンでは決して味わえない書き味、ペンの軸に刻まれたメーカーの意図、無限に広がるインクの色に付けられた名前に想起させられる「感情」……。それをよい紙の上にしたためるのも人生の楽しみ、オツなものです。

 さて、今回は私こと寺西が、刀剣乱舞で一番の推しである彼、
 「同田貫正国の概念を万年筆にどう見いだすのか?」
 という事について、寺西個人のケースとしての例をご紹介したく思います。

 「推しの概念を見いだす」、となると結局は見た目がその最たるものになるので、まずは自分が思う同田貫の見た目や性質から考えていきます。

・カラーリングは「灰や黒」がほとんど。顔に「傷」があり、「瞳の色と飾り紐が黄色」。「兜の色は赤」。
・ゲーム中の分類は打刀。「オールラウンダー」の側面が強い
・身長は相対的に見ると低め(169㎝)
・「実践刀」であることを是としている
加藤清正に認められ「熊本城」の常備刀となった
・「飾り気のない姿」(刀本体)
・刀派の傾向として、反りは浅く、「身幅は厚く」、「重い」
・打たれまくって使われまくった「量産品」

 ふーーーーーーーーーーむ。ここから導かれる回答は……

 プラチナ3776センチュリー、ブラックインブラックの中字ですね。
 どういう所がと申しますと、

・「黒い軸」「金色のニブ(ペン先)」
・中字幅は一番一般的な字幅であるため「オールラウンダー」
・自分にとってよく馴染むため、使用率が高く「実践刀」的
・ ペン先が「大きく、広い」
・プラチナ万年筆の代表作であり、比較的手に入りやすい「量産品」である
・買ったときに付いてくる純正のインクカートリッジが「耐水性」「耐光性」を備えた古典ブルーブラックなので、後で水に濡れても消えにくい

 からであり、これは要するに「自分が推しのどういう部分を重視するか」という事でもあります。
 私個人は万年筆は「書く道具」なのでそれが最優先であり、自分の手に馴染む事が一番です。3776はこの面においてとても相性がよかった。あとは本体のカラーリング、良くも悪くも飾り気のない姿でした。ヨドバシカメラでも売ってるしな。何、赤色がないじゃないか?そういう時は赤インクを飲ませるんやで(真顔)。

 ちなみにこれが「重い」、あるいは「固い」となれば、金属軸や金属ニブの万年筆になるでしょうし、「肥後の刀」という側面を推すのであれば、やはりプラチナ3776の「肥後象眼・いちょう」 になると思います。正直「カクノ くまモンバージョン」でもいいと思う。カクノちゃんは昨今の万年筆業界の裾野を広げまくった優秀な万年筆だし、どこにでも連れ出せるので実戦刀的側面は満たしまくりだと思う。
 カラーリング、かつ無骨さで考えるならLAMYサファリもいいと思います。ドイツ製の万年筆で、雑誌などでよく「質実剛健」と評されています。2018年限定のオールブラック、マットでざらつきがあってカッコいいよね……。
 「傷がある」という面を推すなら、ユーズドで古い世代のものを探すのもまた手です。関西圏だとナガサワ文具店ではユーズド、アンティーク万年筆を扱っているお店もあるよ。

 先程「扱いやすいのが一番」と言いましたが、私にとってはそうだっただけで、「お前本当に扱いにくいな~!でもそこがカワイイんだな~~~~!!!」という萌え方も完全にアリなので、好きなように推しの概念を見いだして好きなように万年筆やインクを買って好きなように萌えるといいんだよな!!!!